基礎看護学
直腸検温法の基礎知識 直腸検温法は、体温測定にあたって口腔検温法・腋窩検温法よりも外部環境の影響を受けにくいため一番高い測定値となります。 直腸検温法では… 乳児2~2.5㎝ 成人5~6㎝程度の深さで体温計を挿入します。挿入するときは側臥位かシムス位…
腋窩と口腔の検温時間 体温を測る部位としては、直腸・腋窩・口腔があります。この中から今回は腋窩と口腔で検温をするときの計測時間を覚えてみます。 それぞれの検温時間は、以下のとおりです。 ・腋窩検温…10分間(実測式) ・口腔検温…5分間(実測式) …
医療倫理原則4つ 医療現場で守られるべき、医療倫理原則は以下の4つです。 ・自立尊重原則 ・善行原則 ・無危害原則 ・正義原則 それぞれの意味は次のとおりです。 <自律尊重原則> 自律するのは患者側を指します。患者が自分で適切な意思決定を出来るよう…
褥瘡の重症度評価DESIGN-RⓇ 褥瘡の重症度を評価する指標としてDESIGN-Rがあります。文字それぞれに意味があり、次のようになっています。 D…深さ E…滲出液の多寡 S…大きさ I…炎症/感染の有無 G…肉芽組織の性状 N…壊死組織の有無*ポケットがあるときはポケッ…
ブレーデンスケールの6項目 ブレーデンスケールは、褥瘡が発生する危険度を数値で評価する方式のことです。 次の項目を観察します。 ・知覚の認知・湿潤・活動性・可動性・栄養状態・摩擦とずれ 以上の6項目を23点満点でチェックします。“摩擦とずれ”だけが3…
坐位の褥瘡が出来やすい部位 座った状態だとあまり褥瘡ができるイメージが湧かないかもしれませんが、座った状態が長時間続けば当然褥瘡が出来ます。 <坐位・褥瘡の好発部位> ・後頭部 ・肩甲骨部 ・仙骨部 ・尾骨部 ・坐骨部 ・踵部 (しょうぶ) 以上が…
側臥位の褥瘡が出来やすい部位 寝たきり等により皮膚や皮下組織が長時間圧迫されて起こる皮膚潰瘍を褥瘡と言います。 今回は横向きに寝た状態である側臥位で褥瘡が出来やすい部位を紹介していきます。側臥位での長時間の手術中などに圧迫される部位でもあり…
仰臥位の褥瘡が出来やすい部位 褥瘡は、寝たきりなどにより、皮膚や皮下組織が長時間圧迫されて起こる皮膚潰瘍です。 姿勢によって褥瘡の好発部位は異なりますが、今回は仰臥位の褥瘡の好発部位を紹介します。 <仰臥位・褥瘡の好発部位> ・後頭部 ・肩甲骨…
止血法の主な注意点 止血法には直接止血法、間接止血法、止血帯法があります。 直接止血法は、名称そのままで止血している部位を圧迫して止血する方法です。 間接止血法は、直接止血法で止血できない場合に用いる方法で、出血部位よりも血管の中枢部を圧迫す…
吸引の基礎知識 体内から血液や痰などを体外に排出するために行われる吸引は、いくつか覚えておくべき数値があります。 以下、それぞれ紹介していきます。 ・吸引用カテーテルの太さ → 12~14Fr・気管切開時の吸引カテーテルを挿入する長さ → 12~15㎝・1…
口腔・鼻腔・気管内吸引の吸引圧 吸引は口腔内や、鼻腔内の痰や血液などを体外に排出するために行われます。 この吸引時に気道に傷がつくことを防ぐために、吸引圧は以下を目安にするようにします。 ・口腔内 → 100~150mmHg・鼻腔内 → 80~120mmHg…
酸素療法の基礎知識 酸素療法は低酸素症を改善させるために行われるもので、酸素濃度を高めた酸素を吸入させる治療方法です。おもに、呼吸不全、肺性心の患者に行われます。 PaO2 60mmHg以上(又はSaO2を90%以上)を目指す。 酸素療法で用いられる器具とし…
罨法の禁忌 罨法は、患部を温めたり、冷やしたりすることの作用から禁忌があります。 それぞれの禁忌は以下のとおりです。 ・温罨法…出血傾向がある場合 、血栓がある場合、急性炎症、悪性腫瘍 温めることにより血管が拡張されたり、代謝があがるため上記が…
罨法の種類ごとの目的 罨法というのは、特定の部位又は全身を温めたり冷やしたりすることで、症状の改善を図る治療法です。温める場合を“温罨法”、冷やす場合を“冷罨法”と言います。 温罨法と冷罨法では以下のとおり異なります。 ・温罨法の目的…産物の代謝…
採血の基礎知識 採血時に穿刺する部位としては、一般的には肘正中皮静脈となります。肘正中皮静脈は患者さんにとって疼痛が少ないために選ばれます。 穿刺時は、抹消側から刺入角度を15~20°とする。 採血時には、穿刺部位の10センチ程度上(中枢側)に駆血…
注射針の適応サイズ 注射針は方法ごとに太さが異なります。この太さの単位をゲージ(G)と言います。 ゲージの数値が小さいほど、針は太くなります。 注射方法ごとの適応サイズは以下のとおりです。 ・輸血…18~20G・採血・静脈注射…21~23G・筋肉注射…23~25…
注射方法ごとの穿刺部位 注射方法によって、穿刺部位は変わってきます。 注射方法ごとの穿刺部位は以下のとおりです。 ・皮内注射 → 前腕屈側 ・皮下注射 → 上腕伸側 ・筋肉注射 → 中殿筋、大腿四頭筋、三角筋 それぞれの位置はイラストで確認しましょう。 …
注射部位ごとの刺入角度 注射は部位ごとに、針の刺入角度が変わってきます。 部位ごとの刺入角度は以下のとおりです。 ・皮内注射 5~15°・皮下注射 10~30°・筋肉注射 45~90°・静脈注射 15~20° 皮内は表皮と真皮の間くらいのとても浅いところに刺すので、…
薬物動態(ADME)の順番 薬物動態とは、薬物を体内に取り込み出るまでの過程のことです。 薬物動態の順番は以下のとおりです。 吸収→分布→代謝→排泄 薬物動態はまず“吸収”から始まり、血管により体中に“分布”されて、肝臓や腎臓で“代謝”されて、最終的に体外…
注射方法による作用持続時間の順番 注射方法による作用持続時間の順番は、吸収速度の反対となり以下のとおりです。 (長)皮下注射→(中)筋肉注射→(短)静脈注射 皮下注射は、皮下には血管が少ないため薬剤が吸収されるスピードが一番遅いのですが、逆に薬…
注射方法による薬剤吸収速度の順番 注射方法による薬剤吸収速度の順番は以下のとおりとなります。 (速)静脈注射→(中)筋肉注射→(遅)皮下注射 上記のとおり、薬剤の吸収速度を速くするには静脈注射が一番適しています。 筋肉注射は上腕、太もも、臀部等…
在宅中心静脈栄養法(HPN)が必要となる主な疾病 在宅中心静脈栄養法とは、口から栄養を摂取できないときに利用される中心静脈栄養法(TPN)を在宅で行うものです。 略称は H→HOME(在宅で) P→Parenteral(非経口) N→Nutrition(栄養) から来ており、“HPN”…
中心静脈栄養法で使用する血管 中心静脈栄養法は、口から栄養を摂取できないときに、心臓に近い中心静脈からカテーテルで栄養を補給する方法のことです。TPN(Total Parenteral Nutrition)と略されます。 なお、口から栄養を摂取できない患者だけではなく、口…
経管栄養法の基礎知識 経管栄養法は、口から栄養を摂取できない(食事ができない)場合に、管を通して鼻や胃から栄養補給する方法のことです。 主に鼻から胃へ管を通す、経鼻栄養法と、胃に直接管を通す胃瘻栄養法があります。 栄養剤は常温~体温くらいに温…
消毒薬の効能による分類 消毒薬の効能による分類は上記の表のとおりです。 一つの消毒薬ごとに、効能を記憶していくのはかなり高率が悪いと思います。 そのため、効能ごとに分けてまとめて覚えてしまう形をおすすめします。 消毒薬の効能による分類の覚え方…
滅菌方法の種類 滅菌というのは、細菌類等を限りなく無菌に近い状態にすることを言います。 医療行為を施す過程で、様々な器具等を看護師は使いますが、これらの器具等を滅菌する必要があります。 滅菌方法はその器具によって違います。対象物による滅菌方法…
標準予防策(スタンダードプリコーション)と感染源 標準予防策は、スタンダードプリコーションとも呼ばれる感染対策のことです。 標準予防策(スタンダードプリコーション)では全ての患者、全ての医療現場に共通して実施されます。 感染源とみなされるもの…
誤薬防止5つのR 誤薬を防止するために気を付けることとして、5つのRがあります。 これは5つの気を付けるべきことを列挙したもので、“R”は“Right=正しい”を意味します。 具体的には以下のとおりです。 正しい患者(Right patient)正しい薬剤名(Right Drug)正…
病室の温度と湿度 患者が入院中に生活することになる病室の環境を整えることも、看護師の仕事となります。 具体的には病室は以下の温度と湿度を保つようにします。 ●夏場…温度22~26℃ 湿度45~65%●冬場…温度18~22℃ 湿度40~60% 季節によって、保つべき温度と…
病室の広さ(床面積) 病室の広さというのは医療法施工規則で、一定以上の広さを確保するように義務付けられています。 反対に言えば広ければ問題無く、広さの下限だけが定められています。 法律で定められている病室の広さは以下のとおりです。 ・療養病棟…